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  • Writer's pictureゼンマイマン

24話 1万年前の鬼軍団蘇る

Updated: Oct 3, 2020

阿暁の口の中で特別に作られた空間にそのおばさんがいる。

コイルは慎重にその空間に足を踏み入れると、その空間の真ん中にドシリと座っている暗死Jが居た。



「おばさん居た!!!!」




「誰がおばさんよ!!!このクソガキが!!仲間の中では見た目は若い方なのよ!!!今度こそ殺してやるわ!!!そしてこのカバ野郎の腹の中で暴れまくってあいつも殺してやる!!!」



「おばさん相変わらず凄い力だな・・・氣で肌がビリビリするよ」




「今度はあの肉壁に阻止されないうちにあんたを殺すわ。覚悟しなさい」




コイルは戦う準備の為、急いで氣を吸収した。

岩山と違って阿暁の中はスムーズに氣を吸収しやすくて助かる。

岩山の吸収には原子作成と対の構成までも作業で必要になるがこの空間はそれが必要ないので息を吸うように氣を吸収して自身の力と親和させられる。

コイルの身体から凄まじい闘氣が立ち上った。



前回速攻で殺しそこなった相手が別人のような闘氣を纏い暗死は驚いた。

「あ・・・あんた本当にあのガキなの・・・・」




「えへへ!!」




「ほめてないわよクソガキ!!!死ね!!!」




暗死Jは素早く左右に動いたかと思ったら何体もの残像を作り出した。

どれが本物の暗死Jかわからない。




「うわぁ!あの時は全く分からなかったけど、なるほどあの一体が本物なんだな。」

コイルは力の流れが見えていた。

それと同時に本体に流れている氣の流れさえも見えるようになっていたので、前回この技で殺されかけたところで、地面から肉壁が盛り上がり阿暁に助けてもらった事を思い出した。※阿暁は無限孔なら自在に自分の内臓を様々な形に動かせる。

あれが初めての暗死との対面だった。



十体の暗死Jがコイルに襲い掛かるが、コイルは右前方の暗死Jしか見ていない

10体の暗死Jがコイルに剣を突き立てるが、1体だけコイルは剣をはじいた。

残りの9体はコイルに剣を突き刺しているが、コイルは構わず暗死Jを攻め立てた。



「なぜ見えるの!!私の複剛殺束(ふくごうさっそく)を!!!」




「原子の見える僕にもう死角はない!!!!」



そう言ってコイルは暗死Jに蹴り飛ばした。

衝撃で吹っ飛ばされる暗死J


暗死の体はとんでもない衝撃で痺れていた。

苦裂のメンバーでもここまでの攻撃はできないかもしれない。

「面白い。」

暗死Jはにやりと笑った。



コイルは続けざまに手のひらから気弾を乱射させた。

暗死Jは武器で弾きながら真横に飛んで避けた。



「面白いわ。私をここまで本気にさせたやつは久しぶりよ!」



暗死Jは漆黒の氣を身体から発しコイルにまとわりつくように放った。



「なんだこの氣は!!!動きが遅くなるぞ!」

コイルの周りにまとわりつく黒い氣が動きを鈍くさせる。


その間に暗死Jは躰を大きくさせ筋肉粒々になった。

次の瞬間弾丸のような速さでコイルに突撃してきた。

避ける事が出来ずコイルはモロに当たって後ろに吹っ飛んで気を失いかけた。


朦朧とする意識の中コイルは立ち上がった。

「すげーや・・・あんたさ蛮死Kより強いんじゃないの?」



「このクソガキ!蛮の事をしってるのか!」



「やっぱ仲間だったか。原子構造が似てると思ったんだよな。」



「私は苦裂長姉、暗死J!!!」



「おお!!じゃその苦裂で一番強いの?」



「それぞれ得意分野があるのさ!!今から見せてあげるわ!」


暗死は更にコイルを攻め立てた。

コイルは力を暗死の背後に巡らせ、一斉攻撃した。

無数の直線になったコイルの力が暗死Jを背後から襲う

暗死も何発かは避けれたが、そのほとんどを身体で受ける事になった。

暗死Jも動きを止めることなくコイルの側面から全力の攻撃をヒットさせた。

コイルも何とか体制を留め倒れそうになる躰を支えた。



「つえーーー・・・」

コイルは口から血を吐いてよろついて地面に膝とつき、意識が遠くなってきた。

その瞬間暗死Jの暗示麝香眼(あんじじゃこうがん)が発動した。


コイルはたちまち暗死Jが作り出した思想へと引き込まれた。




「これが私の得意分野よ坊や。この暗死Jの思考の中で一生彷徨いなさい。」





「く!何だここは?なんか聞こえるぞ?」



思考の闇に引きずり込まれたコイルの背後から無数の骸が大群で襲ってきた。




「うわうわうわ!」



コイルは剣で骸を薙ぎ払いながら何とか自分の動けるスペースを確保していく。

そうしないとすぐ骸でいっぱいになる。





「全然減らない!切りがない!

ん?待てよ!あのおばさんあの分身技といい幻覚幻想が得意分野なんじゃ?

これもじゃ幻覚・・・か・・・?

でも攻守の衝撃や疲れは本物、まさか幻覚を見せながら自ら本体が攻撃してくるのか。

厄介だな…偽物と思いきや本物の攻撃もあるわけだ

攻撃も幻覚なら座禅の精神統一で乗り切れそうだけど、本物も来るなら呑気に胡座かいてる場合じゃない。」


本物の攻撃のみを見極めて一点突破で切り開いてみるか。


骸は休みなく波状攻撃で襲ってくる


「違うこれじゃない!これでもない!…これだ!!!」



そう捉えたコイルは全力で善玉力を解放させて剣先に宿らせて突いた。




「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!

己…我が最高の技を破るとは…」




コイルは目を覚ますと目の前には体を剣で突き抜かれた血まみれの暗死Jがうずくまっていた。



コイルは空に向かって慌てて叫んだ

「…阿暁様!!!吽暁様!!!このおばさん助けてよ!!!僕はまだ修行がしたいんだ!!!良いだろ!!!」




そうすると何処からともなく声が聞こえてきた。






「お前を殺そうとしてきたこの悪玉鬼を成敗せず治療しろと言うてんのかいな

けったいなやつやで

これからわんさとこんなやつ倒さなあかんのに大丈夫かいな

まぁまだこいつもお前の修行の役に立てそうやからな。無限孔の治療臓で回復させたるわ。」※治療臓 阿暁の治癒能力の高い臓器



無限孔の中で響き渡る阿暁の声を聞きながらコイルが急いでお辞儀をした

「ありがとうございます!!!」




「その代わりやお前には更なる岩山のエネルギー吸収の課題と同時に」




「同時に?」




「こいつらを倒してもらおうかの」



コイルは動く肉壁を見つけると何と中からハチの巣からハチがウジャウジャと出てくるようになんと悪玉鬼が出てきた。



コイル

うわぁぁぁ!!こんなに悪玉鬼がなんでここにいるんだよ!

あ!これも幻覚か!



ザッザッザッザッザッザッザッザッザ!!!!!



「幻覚ちゃうねん。これほんもんや」




「嘘だ…まさか阿暁様って悪玉鬼なんじゃ・・・」




「1万年前アニサキスの戦いの前に邪魔やから無限孔に閉じ込めたモノホンの悪玉鬼や!

その数1万! アニサキスの軍勢や

後でなんかに使えるかなーと思って封じてたんやけど、折角やからお前の修行相手にしたるわ。暗死Jが完治するまでしばらくそいつらと修行しとき。」




「や、やるけど休憩もするからね!こんなの死んじゃうよ!」



こうして阿暁が1万年前に無限孔に封印した1万もの悪玉鬼の処理を任されたコイル。

無事に生きてこの修行を終わらすことができるのであろうか!





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