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  • Writer's pictureゼンマイマン

22話 3度目の対峙

Updated: Dec 9, 2021

金剛太夫になんとか追いついた苦裂の二人

逃げまどっていたかに見えた金剛太夫に焦りどころか余裕すら見えた。



蛮死はいきなり身体を解放させ全力で突っ込んだ。

暗死も蛮死に習いフルパワーで金剛太夫の死角を狙う




「ええ判断やお二人さん。」


吽暁は阿暁片手に蛮死暗死の巧みな連携攻撃を交わしている。




大きく弧を描くように吽暁が阿暁をブンブン振り回すとあっという間に2人はダメージを負い距離をとった。




「なんなの…なんなの一体

私達苦裂は悪玉鬼の中でも超的存在のクラスなのよ…

簡単にハエを払うかのように

こんな化け物がこの世にいるなんて…」




「バケ!バケモ!ショックなんやけどー

因みに傷ついたのはこの程度でわいの力量判断されたことにや!

おいお前!こないだの時はな、わいも本気出してないんやんか。

今日はわざわざ会いにきてくれたお礼に少し見したるわな。」



そう言って阿暁はその地域一帯を震えさせるくらいの闘気を纏った。



蛮死は目を見開いて震えた。

暗死も夢でも見ているかのような間抜けな顔で金剛太夫を直視した



「ああああああああああこここここんな奴がいてたまるか

俺たちは一体何のために苦しい修行をしてきたのだ…」




「命運尽きたか…せめて主様の復活を見届けたかった…」



何かを察した吽暁が言った


「阿暁!早くこの二人消せ!

なんだか嫌な予感がする!」



「わいもや

嫌な予感しかせん片付けるか。」



金剛太夫は激しく舞うとそこから発せられた閃光が苦裂の2人を切り裂く



と思われた瞬間




その閃光は跡形もなく弾け飛ばされた


突如空中に浮かんで現れたのは弾死M




「弾死!!!お前か!

いやお前も敵う相手ではない

逃げろ!全力でだ!!!」

これ以上殺されるわけにはいかない蛮死は叫んだ



「弾死!私が囮になる!その間に2人は逃げなさい!!!

そして必ず主様を復活させてこのクソ野郎を葬って」

暗死も必死で弾死に呼び掛けた




「なんやわいが悪もんみたいやんけ!

お前らこそこの世の秩序を乱す悪もんやのに!

被害者面しやがって」

阿暁はぷんすか怒った。


「…」

吽暁は半目で沈黙した。





「しかしお前ら弱いねぇーわしが君たちに代わりに倒して進ぜよう。」

弾死Mは丁寧に片手で手のひらを上に向け水平に金剛太夫のいる方向へ動かした。






「バカが死ぬぞ」


ここまで言っても気づかない弾死に蛮死は諦め首を振った



「主様の為に逃げるのよ!!!」



弾死は身体中に虫が這いずかのような脈を浮かせ阿暁に襲いかかった。




ズンズン!!山々に打撃音が響き渡る

金剛太夫と弾死の攻防が激しさを増す。





「あいつあんなに強かったのか…」




「嘘・・あり得ないわ…あれはもうファベイト様の強さを超えているわ。」


蛮死と暗死はただただ同じレベルだと思っていた弾死の凄まじい攻防戦を見て絶句した。



「やっぱり生きてたんやのぉ!アニサキス」


阿暁には姿かたちは変わっていてもわかっていた。

目の前にいるやつが殺すべき相手と


「よくわかったなカバよ!

貴様らだけは絶対に殺してその臓物を喰らってやるわ。」






「口の悪さも臭さも相変わらずやな!!」





「お前の腹の中よりマシよ。」




両者は激しくぶつかり合ったが程なくすると阿暁が笑い出した。





「いやー愉快!愉快やのー

お前そんな力しか戻ってないのによくわいらの前に姿を見せれたな。

昔のお前はそりゃ強かった。

1度目より2度目!ここまで強さを高められるのかと敵ながら感動もした。

しかしなんやねん3回目のこの戦いは

普通3度目の正直違うんか?」




弾死Mの姿をしたアニサキスはむっとした。


「まだ力は完全ではないがな、お前らも同じことよ!!

ハッタリでこの窮地乗り越えられると思っているのか!」





「残念や・・・お前は即席でその悪玉鬼の力を得てるようやけどな

俺は誰から力を得てると思てるんや。

地玉界最強の遺伝子と天玉界の王より得た力やねんぞ。」




そう言った瞬間

七色の闘氣が金剛太夫を包み込んだ





「クソ!!!

俺と戦った時と同じ・・・いやそれ以上の闘氣を身に着けていたか・・・」







「主・・・よ・・・」


蛮死はこの戦いをまさに信じられない次元の違いにただただ立ち尽くしていた。



更に力が上がった金剛太夫を見て蛮死Kは無限に上がる力を見せつけられたように錯覚し、夢なら覚めてくれと願った。



暗死Jの顔が引きつっている横に弾死M(寄生したアニサキス)が一瞬で現れた。

その瞬間アニサキスは暗死Jの頭をつかみ、悪玉力をふんだんに流し込み、暗死の中の悪玉力を暴走させ金剛太夫に全力で投げつけた。




「我が同胞よ・英雄の為に散れ!!!ウハハ!!」



そしてアニサキスは蛮死Kのところに移動し強大な力で拘束し連れ去り逃げて行った。



金剛太夫は自爆直前の暗死を獲らえ、エネルギーを止める為に指で気の流れを止める点穴を数回ついた。




「どうや同胞に捨て駒にされた気分は?

あ、ちゃうか同胞の英雄にか」



暗死Jは激しく顔をしかめて抵抗するが点穴を打たれ体の力は全然入らない





「悪いけど気の流れだけではなく身体の機能もほぼ停めさせてもろたで。」




「こんな悪玉鬼とらえてどうするつもりだ?

恐らく人質交渉しても捨て駒にしたくらいだ何の役にも立たない。

こいつらは各界に迷惑をかける存在。

ここで消す。」

そういうと吽暁は右手を上げ振り下ろそうとした





「まてまて!

こいつようみてみー 利用価値が他にもあるやろ?」





「ききき貴様!!!この変態野郎が!!私の私の操を・・!!!」

暗死の口は動かない。

心の中で精いっぱい叫ぶしかなかった。




「阿暁まさか・・・・まだ生殖機能が・・・?」


暗死は精一杯心の中で暴れド変態!鬼畜!カバ畜生!!と叫んでいた。



「あほか!!!誰がこのお姉ちゃんに変なことする気満々でとらえるっていうたんや

わいが愛した女は一人だけや・・・

何の話や!

こいつの力さっきの蛮死Kクラスや。

てことは?」




「なるほど・・・コイルの修行相手にうってつけ。

でも戦うか?逃げられるのが落ちだ。」




「その点は大丈夫や

わいのお口の中で戦ってもらう

ここなら広さも高さも環境もワイの思うままに自由自在で修行にうってつけや。」





「じゃ早速コイルの元へ行くか?」





「そうやな。ただアニサキスを逃がしてもうたのは失敗やったな。

一応万が一の為にちょっと手は打っておこうかな。」



吽暁

わかった。


阿暁は暗死を大きな口で飲み込んだ。


暗死はスルスルと阿暁の口の中へ消えていった・・・

この後コイルから口の中のババアと呼ばれるとも知らずに







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